小川町移住サポートセンター

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小川町の魅力

小川町のひとびと Ogawa Spirit

住み継ぐスタイル

Episode 2

まちの記憶を受け継ぎながら暮らしていくことを、私たちは「住み継ぐスタイル」と名づけました。このページでは小川の家をふるさととして育った人(物件オーナー)と、その家を未来のふるさとにしていく(移住者)のエピソードを紹介します。

交わることのなかった人と人を結ぶ

物件オーナー:柳敏郎さん(小川不動産)

柳さんは、本町二丁目交差点に店舗を構える小川不動産の2代目だ。父親は60年ほど前に不動産業を始め、柳さんは20代前半で父の仕事を手伝い始めた。事務所の前には、小川町の道路の基点であったことを示す道路元標の石碑も建っている。親子で町の変遷を長く見つめてきた。

赤堀夫妻に貸した物件は、30年ほど前に小川不動産が建売した家だ。交通量の多い中心街より、郊外での子育てを望んだ柳さんが自ら入居し、家族と30年近い月日を過ごした。 花好きの柳さんが手塩にかけた庭木が見事だ。淡いピンクの花を咲かせるヤマザクラは、木部の両親宅から移植した。門かぶりの松は、川島町の用水路にせり出していたもので、植木屋を介して買ったものだ。庭で春は花見、夏は冷やしそうめんにホタル、秋は露天風呂、冬はお手製の囲炉裏で飲む一杯を楽しんだ。

今では、赤堀家からほど近い実家に住まいを戻した柳さんは、原川の家の処遇を気にかけていたので、若い一家がここを住まいに選んでくれたことが本当にうれしいのだ。「庭の木はいらなかったら、バキバキ伐っていいからね!」、柳さんは2人が庭の管理を負担に感じないように、明るい口調で気を配る。

香弥さんは、柳さんが庭に込めた愛情をくみとっている。5月に庭のサクランボが実ると、柳さんの分も収穫して届ける。「ありがたいことだよねぇ」、柳さんは恐縮する。実は赤堀夫妻も、庭はお気に入りだ。香弥さんは味噌作り教室をヤマザクラの開花時期に合わせて開くことにしたし、敬祐さんは初夏、風通しの良い2階から眺める青モミジが好きだ。赤堀夫妻が小川へ移住してこなければ、おそらく互いの人生が交わることはなかった。

家は、本当に不思議な箱だ。抱っこした赤ん坊を寝かしつけながら、香弥さんは柳さんの楽しい昔話に「へぇー」と耳を傾ける。穏やかな時が流れる。お互いのさりげない心配りが、この家で過ごした時間、そして、これから過ごす時間をゆるやかにつないでいく。

農家目線で見たら最高の物件だった

移住者:赤堀敬祐さん・香弥さん(だいこんや農園)

家屋がぽつん、ぽつんと建つ閑静な原川地区。2階のベランダに干しダイコンのカーテンが下がった一軒家から、赤堀夫妻はにこやかに姿を見せた。1階の窓越しにはべーっと舌を出しながら、取材陣を興味深げに眺める2歳半の太祐君がいる。

この家は実は世田谷から移住を決めた時に一度断った物件だった。香弥さんはその頃、まだ都内に通う会社員だったし、曇り空だったせいか、家も暗く見えた。「さすがにちょっと田舎過ぎるよねー」。利便性を考えて、駅近くの平屋を選んだ。

敬祐さんが就農先に小川を選んだのは、香弥さんの母親が町内の有機野菜を宅配で購入していたことがきっかけだった。有機農業のパイオニアと言われる霜里農場の勉強会へ足を運び、落ち葉や生ごみ、家畜のふん尿などを無駄なく循環させる農業の在り方、生き方に深く感銘を受けた。

2人も、山に囲まれ、傾斜地も多い小川の地勢に自分たちの農業を合わせていく方法をとった。米に麦、大豆、野菜、果物を少しずつ作付けした。竹林の竹をチップにして畑に置き、藁を敷いた。小川の恵みを工夫して畑に還元した。現在、毎月80箱ほどの野菜ボックスを顧客に送っている。

農業に本腰を入れるようになると平屋は手狭になり、引っ越しを考えた。小川不動産からは、再び今の家を紹介された。原川の一軒家は、今度は2人の目にまるで違って映った。「静かだし、小屋もあるし、駐車スペースも十分。農家的には完璧じゃん!」。家選びの決め手は、もはや利便性ではなくなっていた。資本主義は本当に人を幸せにするのだろうか――。敬祐さんは勤め仕事のストレスから抜け出したくて農の世界に飛び込んだ。

食料を自給する暮らしは、お金を稼がないと生きていけないという都会の焦燥感を和らげる特効薬だった。皆の“かかりつけ農家”になりたい―、町医者を思わせるだいこんやのキャッチフレーズは、自らの体験がベースにある。

※だいこんや農園…農薬や肥料を使わずに育てた旬の露地野菜(年間70品目)、麦、大豆、米、果樹を栽培している。http://ogawadaikonya.com

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